北海道旅行2日目(函館)

午前中

泊まったホテルは、ベッセルイン札幌中島公園。7000円?くらいで、恐らく現地で朝食料金を払う必要があったけど、必要がなくてラッキー。

朝食は全国のホテルで4番目に満足度が高いらしいから、滅茶苦茶期待してたけど、

期待に応えてくれる朝食が出てきた。

(画像)

 

朝食後は8:43札幌発の特急に乗り、約4時間も特急に揺られていた。

何か知らないけど、とてもお尻が痛くなったのと、隣のサラリーマンが爽やかで、俺もああいう人になりたいと思ったよね。

 

午後

じっと座っているだけでも体力って奪われるんだなとしみじみ感じつつ、函館に到着。

当初の予定では、五稜郭タワーまで行って函館ラーメンを食べるつもりだったんだけれど、函館朝市のところで女の人に声をかけられて入った居酒屋で2hくらい過ごしてしまった。しかし、このイレギュラーイベントが今回の旅の大きなイベントだったように今では思う。

 

柄の悪いおっちゃんと優しそうなマスター

 お店に入ると、そこにはグレーの入れ墨でも入ってそうな、サングラスをかけた初老のおっちゃんがいた。私は、店頭で見かけた牡蠣だけ食べるつもりだったが、店員に「奥の方の壁に貼ってあるメニューを、勇気を出してみてみて!w」と言われたので向こうまで歩いて行った。勇気を出してって言い方なんかいいな。

 

 そうすると、さっきのおっちゃんが「ホッケは好きか?」と尋ねてきた。いや、そうでもないです・・・と返すと少し寂しそうな顔をする。「?」と疑問に思うも、いかの刺身は好きか?と今度は聞いてきた。それなら好きです!と答えると、おごってやるよとおっちゃん。そこから、わたしとおっちゃんとマスターのおしゃべりが始まった。

 

 おっちゃんは資生堂の研究員だったらしく、おっちゃんの専門性が高く評価されてかなり豊かな暮らしているように思えた。日本各地のみならず、世界各地に旅行に行っていたようで、私に色んな土地の話をしてくれたけど、あんまり覚えてはいないw

 

 たまに、主人も話に入ってきた。というのは、おっちゃんとマスターが釣りの話で盛り上がったからだ。私は正直、釣りについて明るくないので、あんまりついていけなかったが、2人ともそんな私に釣りの魅力を語ってくれて、そして、自分も多分目を輝かせて聞いていたから、釣りの話は盛り上がった。

 

 最初に頼んでいた牡蠣だけだと少し寂しくなり、レモンサワーとサッポロビールを頼んだ。(画像) 正直、ビールの味が格別においしいとは感じなかったけれど、こういう行き当たりばったりの居酒屋で飲むビールは、そういうことをしたという経験に味があるのではないか。

 

 いいころ合いになったので、お会計ということになったが、おっちゃんは俺の分も全部払ってくれると言い出した。まじか、いいですよと返したが

「いいんだよ。また君がじじいになったときに、若者に同じことをしてやればいい」

「それに、一人でお酒を飲んでもつまらない。こんな風に他人にお金を出してでも、一緒に飲む酒はうまいだろ?」

と言ってくれた。なるほど確かにと思った。お会計は結局、私の分だけで1700円くらいだったが、その体験には料理代の1700円を超えた価値ある体験があったように思える。

 

 おっちゃんの言う言葉に、マスターもうんうんとうなずいていた。おっちゃんとマスターに礼を言い、店の外に出て、まるでサークルの飲み会後のように、みんなで円を作る形でだべり、そのまま解散をした。

 

 予定していた函館ラーメンは結局、旅行が終わるまで食べられなかった。しかし、それ以上の体験をさせてもらった。

 

五稜郭タワー

(画像)

 午後はもう一つ、五稜郭タワーを見に行った。そこで初めて、北海道開拓の第0章、新選組の話を知った。津軽海峡なるものを初めて見れて、冬景色の歌に思いを寄せながら聞けるなあと思った。

 

 ちょうど、高校生の団体もタワーを見学しに来ていたのだが、彼らの語彙力のなさに絶句した。「えぐ」「やば」しか言っていない。えぐいって言葉を景色に使うか?普通w

 

函館山

 (画像)

 五稜郭タワーから函館駅に戻った後は、少し時間があったのでせっかくなので函館山にロープウェイで登ろうと思った。

 なるほど確かにこれは絶景である。ここから見える陸の形がなんとも面白く、そして左側に広がる津軽海峡がなんとも広く、雄大で、感動した。

 景色に感動するということは、視覚からの感動というより、五感全てのモダリティに対して感動するということだろう。

 話は変わるが、函館山からの景色を見て、この街を私が支配できたらなと思ってしまった。この支配欲はこの度で何度も感じたことだが、またあとで後述しよう。

 

 函館山から降りるとき、ちょうど6時に鐘がなり、その響きに趣を感じた。

 

赤レンガ倉庫

 小雨だったが、せっかくなので赤レンガ倉庫まで足を延ばしてみた。

たまたま入ったオルゴール屋さんに、ジブリのオルゴールの商品があり感動して30分くらい時間をつぶしてしまった。そのあとは普通に帰った。

 

夕食

 今日の函館でのおっちゃんと主人とのセレンディピティをもう一度体験したい!と思い、函館の居酒屋街でいいお店を探していたら、お姉さんに声をかけられて、入店した。まあ、声をかけてくるくらいだから、結構フレンドリーなんだろうなと思ってたけど、実際は全然声をかけてくれなかった。隣の席のおっちゃんもずっとテレビばっか見てたし、「北海道限定夕張メロンサワー」という商品の「限定」を期間限定だと勘違いして、店員とアホなやり取りをしていて、終わってるなと思った。出てきたおすすめ商品のさばの刺身は、あんまりおいしくなかった。たったの4キレなのに、890えんくらいしたし、メロンサワーもいっぱい800円くらいした気がする。あんまり楽しくなくてすぐに退散した。

 

 このことから言えるのは、

①主人あるいはカウンターに座っている人がフレンドリーかどうか

を事前に見たほうがよさそう。しいていうなら

②カウンターのおっちゃんが金持ってそうかどうかを見る(w)

 

東急ステイ函館朝市 灯の湯

 正直、ここのホテルには感動させられっぱなしだった。洗濯機が1部屋に1つあるし、防音も完璧。寝心地も完璧。対応も完璧。おまけに、併設の温泉は、タワマンとかについてそうなバルコニー型の温泉だった。

 

 この温泉で、私は自分自身に自信がついたように思えた。

この景色を見ることができるのは、俺が今まで生まれたときから、努力をして結果を出してきたり、随所随所で優れた意思決定をしてきたからだ。8月から俺も働くけど、同級生は絶対に今この時期にこの場所で函館の街を見下ろすことなんてできない。一生しないものもいるだろう。私はそういうことを、自分の力でやってのけている。それはとてもすごいことだと思う。そういうことを温泉で感じられた。

 

 私の思考法からすると、私は成功体験をそのままストックしておくことにあまり価値を感じないタイプなのだろう。その瞬間その瞬間に生きるタイプであり、だからこそ勝ててきた。しかし、それは成功したか失敗したか、あるいは自分自身の自意識が記憶として残るわけではない。故に、成功したとしても成功体験が記憶として残ることは少ない。したがって、成功体験を積み重ねることから生じる自信を得る機会が少ない。

 

 しかし、函館の街を見下ろしてようやく気付けた。こういう体験をできるのは、

私が有能だからである。私が自ら予定を立てたり、そして実際に行動できたからである。特定の体験ができるのは、その体験をするに値する能力を持つ者にしかできない。

 

 今まで、私は成功体験をフローとして自身の中に消化していたが、いまは成功体験あるいはそれによる恩恵をストックとして蓄えることで、自分に自信がつき始めたように思える。