ASD(自閉症スペクトラム)のためのコミュニケーション講座①

 

 

自閉傾向にある者、特にASDの人は雑談が苦手です。

 

 

雑談が苦手、というよりも複数人での会話が苦手というとより納得してくれる人もいるでしょう。

 

 

雑談ないしコミュニケーションというのは、いわば会話のキャッチボールである。

 

 

 

 

一方が他方に振った話題について、他方が何らかのリアクションをする。

同様にその他方のリアクションについて、一方は別のリアクションをする。

 

 

 

ASDは、この「リアクション」というのがどうも難しいらしいです。参考↓↓↓

 

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なぜか。

 

 

ASDの困難①相槌が打てない

まず、相槌のパターンがあまりにも少ない。

 

 

 

「はい」「いいえ」「そうなんだ」

極端に言ってしまえばこんな感じである。淡白すぎる返事は、「自分の振った話題に興味がないのかな。。。?いや、そもそも自分のことが嫌いだからそんなそっけない返事をしているのかも?」と、相手に誤解させてしまいます(実際誤解ではない場合ノほうが多いだろうが)

 

 

ASDの困難①抑揚をつけて喋りづらい

 

そう、声に抑揚がない。

 

 

 

先ほど相槌の一つとして挙げた「そうなんだ」という相槌も、抑揚次第で意味は変わってくるんですね。

 

 

 

「そおおなんだーーーー!!!!」-->>驚嘆

「そうなんだ.....」-->>同情

 

 

といった風に、同じ言葉でも言い方次第で違った意味を伝えることができるし、

単純な相槌でも一つのリアクションとして成立します。

 

 

 

 

・相槌のパターンがあまりにも少ない

・声に抑揚がない

 

 

 

ざっくりまとめればこの2つに絞れると思われます。

 

 

 

それではこれから、ASDが一般の人のように自然なリアクション、コミュニケーションを取れるようになるための方法をいくつか紹介していきます。

 

 

 

①そもそも相手の話に興味を持つ。

 

ASDの人にとって、そうでない人が自然にコミュニケーションを取れているのは不思議ですよね。

 

 

ASDと一般人を分けるものは、相手に興味があるかそうでないか です。

 

 

ASDの人でも、常に相槌が単調であったり、声に抑揚がないわけではありません。

 

 

 

ASDでも自然なリアクションが取れているときは、まさにその会話の話題に興味をもっているからです。

 

 

 

その話題はだいたい、そのとき話している人達の感情・気持ちに関係のない話題であることが多いようです。共通の趣味が話題だとスムーズに交流できる傾向にあります。

 

 

 

しかし、日常会話ではそのような趣味の話ばかり、というわけではありませんよね。

 

 

 

 

日常会話は、その日の天気から個人的な気持ちまで多岐にわたります。

 

 

 

はなから相手の話題に興味を持って接すれば、おのずと自然なリアクションが出てくるというわけです。

 

 

しかし、ASDにとって、「そんな話題はくだらないし、全く興味がない」というのが正直なところだと思います。

 

 

 

興味が持てないものは持てませんよね。それは一般の人でも同様です。それではどうすればよいのか?

 

 

②相手に喋らせる

 

 

一番簡単な方法は、相手に喋らせることです!

自分にとってまったく興味のない話題でも、相手にとっては関心のある大切な話題です。相手が延々と喋ってくれて、自分は全く何も考える必要がないというのはASDにとってある意味理想的な状況ですよね。

 

 

例えば、天気の話が出たとする。「今日は暑いね~」と。

 

ここで「うん」「いや...」「そうだね」と、淡白な返事で終わらせないようにしましょう。

 

 

 

相手に手っ取り早く喋らせる方法、それは疑問形で返すことです

 

 

 

「今日は暑いね~」

「暑いの嫌い?(笑)」

「う~ん、嫌いじゃないけど。。」

「じゃあ、夏と冬どっちが好き?」

「え~~~それは悩むなぁ・・・。私って暑がりなんだけど、冷え性でもあるからなぁ~~~~(笑) でも夏のほうがアイスがおいしく食べられるし夏かな(/・ω・)/」

 

 

という感じで、季節の好き嫌いや相手のアイス好きという、全く興味のない話題でも

疑問を投げかけていると勝手に気持ちよく喋ってくれます。

 

 

しかし、これにも限界があります。

 

 

相手の人はずっとしゃべり続けるということは基本的にはありえません。

 

 

 

あなた自身の気持ちや、あなたが提供する話題で会話を楽しみたいと思っています。

 

 

 

なので、疑問形だけで会話していると、いつかこう問われるでしょう。

 

 

「あなたは、〇〇についてどう感じるの?」

 

 

 

ASDにとってこれほど難しい質問はありません。

 

 

 

〇〇が特定の事柄(趣味など)についてではなく、取るに足りない事柄についてであれば、「え、どうでもいい」としか答えようがないからです。

 

 

 

 

この種のコミュニケーションに対する対策は、次回以降でお話ししたいと思います。